難易度はそこそこ高いけれど英語の良質な文章表現に触れることができる
スティーブンキングの小説を紹介します
日本語訳の小説を読んでから読むのをおすすめします
キングの描く復讐ストーリー
スティーブン・キングが好きでけっこうな数を読んだ中で、
ひときわ気に入っている作品がこれです。
主人公は平凡な教師ですが、ある日妻をギャングに殺されてしまいます。
その理由は、彼女がギャングによる殺人現場を目撃してしまったせいでした。
主人公はその親玉、ドランを殺害すべく復讐を考えますが、
防御の施されたキャデラックに乗る彼は隙を見せません。
主人公が考えたのはアリゾナの砂漠を使って、
キャデラックごとドランを葬り去る方法でした…。
圧巻のディテールとリアリティ
復讐を題材にしたフィクションは数多くあるけど、
この作品が優れている点は考証にこだわった点だと思います。
主人公がドランを殺すために砂漠の道路工事現場を使うのですが、
そのために資格をとり、現場で実際に働き、
その裏側で綿密な復讐計画を育てていきます。
作者自身、専門知識の量に押しつぶされそうになったと語っているほどで、
その工程の全てがリアルに描かれています。
そのリアリティが迫真の緊迫感を産んでおり、
読んでいる間は時間を忘れる。
全体をつらぬくキングの思想
キングの作品のどこが好きかというと、
どの作品も作者自身の思想がふんだんにこめられているところです。
この作品で顕著なものは勧善懲悪の思想だと思います。
「ニードフル・シングス」しかり「ドリームキャッチャー」しかりキングの作品は巨悪を描きながら、
その倒れるさまもしっかりと描写してくれます。
、
読後は非常にすっきりした気分になります。
それはこのドランのキャデラックでも同じです。
ギャングの親分に対し、どうやって復讐をとげるのか、
気になった方はぜひ読んでみてください。