映画『オデッセイ』の原作
『The Martian』は、少し前に大ヒットした映画『オデッセイ』の原作となった小説です。
アンディ・ウィアー著、小野田和子訳の上・下巻で日本語版も発売されています。
内容を簡潔にまとめると、宇宙飛行士の主人公マーク・ワトニーはある日、
火星で仲間達に置き去りにされ一人ぼっちになってしまいます。
その後、仲間達に会えるのか、それともこのまま火星で一人ぼっちに死んでいくのか、
その過程を日記形式でワトニーが綴っています。
だから、七割ぐらいは日記形式で書かれていますが、
残りの四割ぐらいは地球での出来事を書いてあるので、普通の小説と同じように書かれています。
近未来的な物語だけど、現実に存在するものの名前も登場していて、本当にありえてもおかしくないような感じの物語です。
内容の注目部分1
この小説は、主人公が空気のない火星で暮らしていく物語なので、
四苦八苦する姿が描かれています。その中で私が面白いなと思った主人公の行動を少し紹介します。
まず、火星で救われる当てがないまま暮らさなくてはいけない。
そのためには食料をどうにか得る必要がありました。
だから、主人公は実験用に持ってきていた、ジャガイモの栽培をすることにします。
栽培をすると言ってもそのための土と水がない。
ということで、土は一緒に実験用に持ってきていたものに火星の土を加えて、即席の畑を作りました。
水は、居住空間にあった水素を爆発させて作ることにします。
しかし、火星という空気がない星での爆発など危険のリスクが高すぎます。
それでも主人公は、いつか救われると信じて、そこまで生きるための食料は必要だ!として、思い切って爆発させます。この先はあまり言いませんが、私はこの勇気に感動しました。
内容の注目部分2
先ほどに続き、もう一つ紹介します。
こちらは主人公の行動ではなく、その主人公を取り囲む人々の話です。
主人公が生きていると知った後の地球のNASAなどの人々は、どうやって主人公を火星まで迎えにいき、
連れて帰るかを必死に考えるようになります。
睡眠時間もろくに取らず、施設に泊まりがけでみんなで必死に人工衛星の軌道を考えたり、
迎えにいくための燃料エンジンについて考えたりと、
大忙しで次の打ち上げをそっちのけでやっている姿にはもう感心というほかありませんでした。
また、最後の展開には涙が出るような感じで映画で見るのとはまた違った良さがありました。
あまり宇宙関係の知識がない方でも楽しめる作品になっていると思います。
是非読んで見ることをオススメします!